泉久と長い時間を共有した「築地」について。
築地市場は、東京都中央区築地において、1935年から2018年までの83年間にわたって活動した公設の卸売市場です。
都内に11カ所ある東京都中央卸売市場のひとつで、面積こそ大田市場に1位の座を譲りますが、取引金額において日本はもちろん、世界でも最大規模を誇りました。
取扱い品目は、取扱量日本最大の水産物をはじめ、青果・鶏肉・鶏卵・漬物・各種加工品など広範囲にわたっていました。
その歴史を紐解けば、江戸時代から東京の食品流通を担っていた日本橋魚河岸をはじめとする市場群が、1923年9月1日の関東大震災で壊滅。同年9月17日に芝浦で日本橋魚市場組合が仮営業を開始、同じ年の12月、隅田川や汐留駅といった水運・陸運に恵まれていた旧外国人居留地の海軍省所有地を借り受けて、臨時の東京市設魚市場を開設したのが、築地市場の始まりです。
長年にわたって、関東一円をはじめ全国津々浦々の飲食店・店舗・スーパーなどに食を提供し、国内外の観光客を呼び寄せてきた築地市場ですが、2018年10月6日に営業を終了。10月11日に豊洲市場が開場し、同日、築地市場の解体が始まりました。
東京ドーム5つ分に当たる23ヘクタールの敷地の利用については、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの車両基地となり、大会後は再開発される予定です。また、跡地利用のひとつとして、「食のテーマパーク構想」なども打ち出されています。